No.1 講師:泉澤佐江子 『地域の幸せを仕事にするということ』 ―住民福祉と自治体職員の役割について考えるー

10月19日(土)14:00~16:00まで、26号館1102会議室で縣所長と招聘研究員10名、ゲスト参加者を含めて約45名が参加し、第1回目の公開講座を開催しました。


(1) 概要

講師 泉澤佐江子(招聘研究員 元浦安市役所職員)
『地域の幸せを仕事にするということ』
―住民福祉と自治体職員の役割について考えるー
進行 藤倉英世 (ファシリテーター)
司会 羽田智惠子
14:00 開会アナウンス(進行の案内)
挨拶 縣公一郎 所長
14:05~15:05 泉澤プレゼンテーション(60分)
15:05~15:15 休憩(10分)
15:15~15:55 質疑応答(40分)
15:55~ 次回以降の予告ほか(5分)
16:00 閉会アナウンス

(2) 講演内容

≪政策分野:地方自治、自治体の組織と人事、障害福祉≫
地方自治法にある「住民福祉の向上」という広義の福祉に基づく自治体職員の役割について考えるため、「障害福祉」という狭義の福祉を切り口とした講義を行った。講義では、3つの論点を提示し、その内容をもとに会場と質疑応答を行った。
① 「障害」をめぐる理念とその具現化について
② 「障害」と括ることの難しさ
③ 「障害」をめぐる地域の現状 *①〜③は論点
④ 現状への対処(私見)

(3) 質疑応答

講演後、会場より以下の質問が提出され、ファシリテーターを交えて質疑応答が行われた。
① 地方自治が立ち戻るべき自治の原点とはどのようなものか
② 理念の具現化をどのように評価するのか。測定指標は
③ 行政、住民双方に対して、当事者意識をどう醸成していくか
④ 障害は困りごと。困りごとは多様で障害だけではない。優先順位のつけ方は
⑤ 多様な人たちに対して、どのように共生社会を作っていくか
⑥ 多様性に対応するための行政組織のあり方について
⑦ 共生社会は本当に求められているのだろうか
⑧ 「公助から共助へ」の流れは待ったなしの状況。行政、地域社会双方に求められる行動変容のきっかけは?

(4) 講座を終えて(講師所感

提出された質問はいずれも本質的で的を得ており、講師にとっても、あらためて住民福祉について熟考が求められる質疑応答となった。いずれの質問への回答も、広義の福祉と狭義の福祉の反復の中からしか導き出されず、またその回答が正しいかどうかを絶えず検証していく必要がある。ファシリテーターからの「自治とは何か」という問いを借りれば、「自治とは曖昧さに耐えることであり、その曖昧さの中で、その時その場にふさわしい回答を探り続けることである」というのが、講座を終えての所感である。