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調査rep4「近隣住民組織のネットワーク化と住民参加の促進」

発生年月:1975年~現在に至る

 

1.目的

 近隣住民組織のネットワーク化と住民参加の促進

 2.手法

(1)きっかけ

 アラバマ州バーミングハム市は1960年代前後、アメリカ南部で最も人種間の緊張が高まるなど深刻な人種問題を抱えていた。また、同市はアフリカ系アメリカ人への公民権適用、人種差別撤廃に向けた公民権運動の舞台や統合政策の議論の場でもあった。

 1962年当時、連邦政府はバーミングハム市に対する再開発資金の活用にあたり、同市の住宅問題を検討する計画委員の中にアフリカ系アメリカ人等のマイノリティーが加わっていないことを問題視し、改善を求めた。それに呼応する形で1963年にバーミングハム市は27名のアフリカ系アメリカ人を含む212名の地域委員会を結成し、同市最初の公式な人種間融合の市政に対する住民参加組織とした。その後、バーミングハム市はより包括的に都市開発における住民参加を進めるために1975年、近隣住民組織のネットワーク組織であるバーミングハム住民参加プログラム(Birmingham Community Participation Program)を創設。同組織は住民と市との間の意思疎通の向上のみならず、地域リーダーの育成、バーミングハム市の主な決定を住民に情報提供、住民に対するニーズ調査、市の土地利用決定等に対する住民への早期の警告 等を行っている。

 

(2)手法の内容

 バーミングハム市民参加プログラムは創設以来40年弱が経ち、市と住民のニーズの変化に合わせて変化し続けてきたが、その基本的な構造は1970年代以降、変化していない。現在では、99の住民地区が参加。各住民地区の平均人口は2,740人であるが、人口規模は180人から8,200人までと様々である。これらの99の住民地区は23のコミュニティー地区に分けられ、各コミュニティー地区は2-6住民地区の代表となる。23のコミュニティー地区それぞれから住民代表が選出され、それらの住民代表は市民諮問会議(Citizens Advisory Board)のメンバーとして務める。市民諮問会議は、バーミングハム市地域資源課(Community Resource Division)と連携し、市に対して都市計画等に関する市民意見の提案等を行っている。また、バーミンガム市民参加プログラムは住民地区組織、コミュニティー地区等の運営に関する手続きを定めている。

 

 

 

 

図表 バーミンガム市民参加プログラムの概要

設立年 1975年
市人口 242,820
参加住民地区数 99
参加地区連合数(Number of District Coalitions) 23
2011年度予算規模 $854,833(≒71,534,135円)[1]
常勤スタッフ数 6名

資料)A Committee for a Better New Orleans White Paper

http://nolacpp.files.wordpress.com/2011/01/white-paper-birmingham-case-study-doc2.pdf

 

図表 Birmingham Citizen Participation Program 組織構成

 

 

 

 

資料)

The New Orleans Citizen Participation Project ホームページ

http://nolacpp.wordpress.com/birmingham-cpp/

 

 バーミンガム市民参加プログラムは住民地区組織に対して直接の資金提供を通常は行っていないが、特に要件を満たすプロジェクト等に対しては資金提供を行っている。同プログ

ラムが市民に提供する主なサービス内容としては、地域リーダーの育成、バーミングハム市の主な決定を 住民に情報提供、住民に対するニーズ調査、市の土地利用決定等に対する住民への早期の警告、地区ごとの市民代表の選出、市長との直接のコミュニケーションチャンネルの設置、市民に対する情報公開の徹底等が挙げられる。

 

(3)協力者の集め方

 Birmingham Community Participation Programには地域の住民地区組織が参加している。例えば、市の土地利用や近隣区域の設定といった課題を取り決める際に、市のスタッフは影響を受ける住民の家を一軒一軒訪問し、近隣地区に対する意見を聴取するなど、住民が参加した双方向性のコミュニケーションを重視している。

 

(4)対外的な働きかけ

 本項目はバーミングハム市内の市民参加プログラムであるため、特に対外的な働きかけはみられない。

 

(5)支援団体の組織化

⇒2.手法を参照

 

(6)市民の具体的行動

 市民は住民地区組織を通じて、地域代表を選出するほか、自らの意見を市政に反映する機会を与えられる。例えば、市民は毎月、市から市政に関する情報パッケージを受け取るほか、会議の予定を知らされる。集会等の開催を通じて市民は、決定に意見を反映するための機会が与えられている。

また、地域リーダーとしてのトレーニングを受けることもできる。

⇒トレーニングの具体的内容については、確認できない。

 

(7)資金集めの方法

 本プログラムはバーミングハム市による予算で賄われている。

 3.反対側の行動

 反対側の情報は特に確認できない。

 4.効果・成果

l 全米においてバーミングハム市民参加プログラムは市民参加の観点から成功事例として扱われている。

l 市の土地利用計画に関する市民への早期勧告のお蔭で、住民の市の都市計画に対する関心が高まり、土地利用において積極的な役割を果たすようになった。

l 開発業者は開発時の住民の役割を把握し、市に開発許可を得る前に事前に近隣住民組織と接触する恩恵を認識するようになった。

l 近隣住民たちが自治体に頼らずに自分たちで地区の状況を改善するようになってきた。

l 近隣住民のアイデンティティ形成に大きく貢献をした。

 5.特記事項

(ア)   最終的な実施主体、中心組織

Birmingham Citizen Participation Program

 

(イ)   取組みの特徴

l  住民組織をネットワーク化し、市政に意見を反映させる仕組みを制度化

 

(参考資料)

l A Committee for a Better New Orleans White Paper

http://nolacpp.files.wordpress.com/2011/01/white-paper-birmingham-case-study-doc2.pdf

http://nolacpp.wordpress.com/birmingham-cpp/

 

※1$=83.682円として計算(2012年3月15日時点の為替レート)